ツートーン発振器の製作
ウィーンブリッジを2回路搭載!


今度のアイテムは、長い事ほったらかしにしていた低周波発振器です。
元は、50年余り前に作った、電池内蔵、移相方式の低周波発振器。90年代に秋月のキットを使って、周波数可変で正弦波(ウィーンブリッジ方式)発振器と方形波発振器に改造したものでした。

長い間にNi-Cd電池は液漏れ、波形を確認すると特に方形波が余り綺麗ではありませんでした。まずは、ダメになった電池とホルダーを取り外して、掃除しました。hi.
ウィーンブリッジ方式の正弦波発振器の方は何とか使えるとしても、使う機会は余り無し(今はDDSのジェネレーターがある)、方形波は使用に耐えずで、今後の出番は余りなさそうです。
どうしようか・・・。

<ツートーン発振器にしよう!>
そうだ! 方形波発振器を改造して正弦波発振器をもう一つ組み込めば、今まで持っていなかったツートーン発振器になる。追加の発振器は、固定周波数で十分だ。これなら今のケース(シャーシに蓋ですが)がそのまま使える。
マイク入力に繋げるように、20dB位のアッテネーターを組み込めば、トランシーバーに直結できそうだ。  よぉ~し!

すぐに部品箱からウィーンブリッジに使えそうな小さな電球(ムギ球)を見つけ出しました。3V程で光るので、使える可能性があります。
早速、今のウィーンブリッジの電球と取り替えて、作動テストしてみました。安定域が狭いのですが、発振させることは出来ました。 しめしめ。

秋月のキットの資料と、当時のCQ誌の記事を参考にし、回路は、下図のようです。



周波数可変側の二連ボリュームは、周波数設定用です。私は手持ちの50kΩのB型を使いましたが、高い方の周波数目盛がかなり詰まります。C型ボリュームがベターですが、A型ボリュームを、右に回して抵抗値が大きくなるように接続しても良いと思います(当然、左に回して周波数が上がる)。

<改造の首尾は>
パネルはのっぺらぼうだったので、まずは軽く磨いて、レタリングを入れました。
そして、キットの方形波回路から正弦波回路への変更です。どちらも、差動アンプのLM386を用いるもので、ICの変更は無く、パターンカットとジャンパー線を用いて、何とか組み替えることが出来ました。
アッテネーターには、背面の使わなくなったスナップスイッチを使いました(余った穴を1個、多角形板のカシメ込みで塞ぎました)。

  

写真左  低周波発振器改め、ツートーン発振器
写真右  ツートーン発振器内部

やおら追加の正弦波回路を動かすと、方形波発振器になっていました。あちゃー。
気を取り直して、負帰還量調整用のVRを回していくと、徐々に正弦波に近づいて行き、正弦波になったと思ったら発振停止。と、思ったらまた発振と、発振・停止を繰り返しました。何で? ランプは先に動作中の回路でテストしたのに・・・。
負帰還のかかり具合が悪いかと、電球に並列や直列に抵抗を入れたり、コンデンサーをあれこれ入れてみたり、トライアルを繰り返してみましたが、安定発振はせず。
動作中の方のランプに取り替えてもうまく行きませんでした。同じ回路なのに。アホな~。
ICを疑ったり、ソケットの下にジャンパー線が無いか探したり、あれこれ調べたり試したりしましたが、おかしな所は見つかりませんでした。

やっぱり、もっと具合の良い電球に変えよう。
電球は、光らない程度の電流でも、電流値に応じて抵抗値が変化して、フィードバック量を安定させてくれます。フィードバック電流は大きくないので、感度よく変化させるためには、出来るだけ小電圧、小電流の電球の方が良さそうです。

1.5V、30mAという、米粒よりも小さな“マイクロ球”があることをネットで見つけ、早速2個購入しました。
これに換えると、従来の動作中の回路では明らかに安定性が向上し、波形が非常に綺麗な正弦波になりました。
しかし改造の方は正弦波にはなるものの、発振出力がゆらゆらと不安定に変化。
何とかしようと色々再トライアルするも、ことごとく失敗しました。
低周波発振器ひとつもうまく行かない。私の腕も、ついに焼きが回ったか・・・。
「もう、この回路は諦めて、ツインT式発振器にしよう」と思った時、一つだけ取り替えていなかった部品がある事に気がつきました。正帰還側、ブリッジを構成する0.047μFの積層セラミックコンデンサーでした。
まさか! しかし待てよ。このコンデンサー、容量の割に1μF位のサイズがあるぞ、怪しい! 部品箱から同容量でもっとサイズが小さなものを見つけ、取り替えました。
試したらバッチリ。綺麗な正弦波となりました。やれやれ、トンネルから脱出です。hi.
しかしマイッタ。 外した物は写真を撮って、ごみ箱へ直行。

NGだった積層セラミックコンデンサー

<完成!>
負帰還量を調整して両方の正弦波のレベルを合わせ、可変側の周波数の凡その目盛をつけ、完成です。
ツートーンの周波数は、可変側を1kHzに設定、固定側は約1.7kHzとしました。
(固定側は、二連ボリウムを仮に接続し、希望周波数になった時の抵抗値を、固定抵抗に付け替えました。)
デジタルテスターの周波数カウンターが役に立ちました。

ツートーンの出力波形は見たことが無かったのですが、面白い波形でよく動き、ぴたりと止まる事は余りありませんでした。トリガーをかけないオシロのフリーランでは、DSBのような波形も見られました。

  

写真左  ツートーン波形の一例
写真右  オシロフリーラン(トリガーなし)での表示画面の例

思いがけないコンデンサの不良で、遠回りをしてしまいましたが、やはり今回の製作のキーポイントは、具合の良い電球でした。しかし、LEDが急速にシェアを伸ばす中、こういった特殊な電球が今後も入手可能か、ちょっと心配です。


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