ノイズジェネレーターの試作

ノイズブランカーの調整に!

 

私のQTHでは従来HFから6mまで、ほぼ常時S6~9のパルス性ノイズがRXに入り、良く効くノイズブランカーが必須アイテムでした。
そのため6mトランシーバー製作の時には、ノイズパルスや、ノイズアンプの出力などをオシロで観測しながら、あれこれ随分トライアルしました。

ところが、2010年代終わり頃からこのノイズが影をひそめ、少しタイプの違うノイズが時々出る状況に変わりました(工場が無くなり、代わってソーラーパネルが多数出現した事と関わりがあるのだろうか)。
ノイズブランカーはやはり必要ですが、気まぐれに出てくるノイズでは調整の拠り所にする事が出来なくなりました。

忌み嫌うべきパルス性ノイズを、自分で発生させなければいけないのか・・・・。
こうして、ノイズジェネレーターを作る事になりました。

<方式の模索>
その1
ネット検索で、小型モーターを回してノイズを発生させる方法が見つかりました。
これはかなり強力なノイズを発生し、受信機に直結出来るまで減衰させる自信がありません。

その2
何とか電子式でと思い、ゲートICやPICマイコンを使って、パルス発振器を試しましたが、受信機ではノイズが検出出来ませんでした。

その3
リレーのコイル、ラインフィルター用と思われるジャンクのトロイダルコイルに、電池を繋いで接続を入り切りすると、受信機に「コツ、コツ」というノイズが入りました。
そうか、やっぱりコイルがいいんだ。

その4
このコイルにトランジスタスイッチで電流を流し、そのトランジスタのベースを”その2”の発振器に繋ぎました。受信機では、さっぱりノイズが検出できませんでした。
そのベースを抵抗でプラス電源に繋ぎ、これを手動で入り切りすると、また「コツ、コツ」とノイズが入りました。

その5
電子式の開閉ではノイズが出ず、機械的な開閉ではノイズが出るという結果になりました。
(ただしこれらは、電源電圧が10V以下のテストの結果です。100Vなどで試せば、結果が違うかもしれません。)
そこで12V用リレーのコイルと、そのb接点(通常閉)を直列につないで、機械式の発振器(ブザーと同じ)を構成してみました。
電源電圧9Vで「ブー」とばかり発振し、受信機にS9+の強いノイズが入りました。
これで行こうか・・・。 リレーの目的外使用ですが。hi.

<装置の構成>
下のような回路構成としました。能動素子無し、全くのローテクです。hi.
リレーは前記実験に用いた、12V用としました。



電源ラインからノイズが放射されないよう、ラインフィルタを入れました。
出力レベルは、500ΩVRで調整し、後尾のπ型アッテネーターでさらに絞ります。
(22Ω、47Ωは手持ちの関係で、51Ωがベターです。)

装置内部からノイズが放射されるとまずいので、金属ケースに入れます。
装置外観は冒頭の写真、内部は下の写真のようです。



<ノイズ発生の状況>
電源投入し、リレーのコイルにオシロプローブを繋ぐと、下のようなノイズ波形が観測されました。


横軸は200μS/div、縦軸は、200mV/div

リレー接点の1回の接触で、細く、沢山のピーク(下向きですが)が出ている事が判ります。
電子式との違いが、これなのかもしれません。

<出力減衰の方法>
当初π型アッテネーター無し、出力との接続は普通の電線だったのですが、VRを絞り切ってもS9+でした。
電線を同軸に替えると少し改善しました。
ところが何と、同軸の芯線をVRから切り離してもS9のノイズが出力されました。装置内部には、迷走ノイズ(?)が充満しているようです。(^^;)

そこで、π型アッテネーターは、出力コネクタに近接して直付けしました。これで、S9~9+までVRで加減出来るようになりました。
これ以上の減衰には、外付けアッテネーターを併用する事にします。

(100pFに直列に抵抗を入れたり、アッテネーターをスイッチ切り替えにして組み込んでみましたが、減衰させられませんでした。hi)

<使ってみて>
電源電圧はmax12Vとしますが、実際には安定に動作する最低の電圧で使います。
接点開閉回数を少しでも抑えるためです。

これを使って、ノイズブランカーのノイズアンプ出力やブランキングパルスなどを、オシロで観測できるようになりました。
ブランキングパルスがしっかり出るように調整すると、ノイズブランカーの効きが良くなります。

しかし、1分間に恐らく1000回程接点を開閉していると思われ、リレー本来の使い方からかけ離れています。リレーの寿命はごく短く、消耗品と思わなければなりません。
組み込んだリレーはTS-520から取り外したものですが、1時間働かせば、トランシーバーの中での何年かの酷使に当たるでしょう。

せめて、オシロの波形やSメーターを見ている時だけ動作させるように、まめにスイッチを入り切りする事にします。

えっ? こんなひどい使い方、するなー! ←リレーのボヤキ


                     前のページへ

                     Home Page