通過型抵抗式パワー計の製作

世にも奇妙なパワー計?


HFリニアアンプの出力の測定に、SWR計と一体になったCM結合式の通過型パワー計を使っていたのですが、周波数ごとのツマミ設定が結構クリチカルなこともあり、何とか終端型パワー計を使いたい。しかし、かなり高価・・・。

某OMより譲り受けたダミーロードが500Wで使える事を確かめたので、これを活かしてパワー計にしたい。以前、抵抗直結式のアッテネーターはうまくいったので、同様のやり方で抵抗をπ型に組んで、メーターを振らせられないだろうか。 そこで早速実験にかかりました。

<仮組テスト>
メーターはTS-520の取外し品。π型に組む抵抗は、「リアクタンスを小さくしたい → 小型にしたい → 電力を食わせられない」という事で、少し値の大きなソリッド抵抗の、1/2Wのものを選びました。(ラインからの取り出しは、3パラ)
回路図と実験の模様を添付します。

 

えっ? 回路を見たら、送信機のRFメーターと同じやないかと?
そうですねぇ、同じですね。それを較正してパワー目盛にしようという訳です。
回路図中の、R4とR5は計算による予想値が大きく外れ(^ ^;)、完全なトライアルになりました。
ボリウムを使えば良いのですが、これまでに数多くのボリウムの接触不良に見舞われた私は、測定器の感度設定にこれを使う気にはなれませんでした。 ← えらいトラウマ!

20~100W程の電力で、まず21MHzで終端型パワー計との指示値の比較を行いました。結果を対数グラフで左下に示します。まあまあか。

 

<周波数の影響>
トライアルを終えて、ケースに組み込みました(写真右上)。とは言っても、50年ほど前に作ったディップメーターをバラしたケースです。hi.メーターの目盛は、前記メーターの目盛板を裏返した所へ、ペイントソフトで作り印刷したものを、サイズを合わせて貼り付けました。
目盛の画像はこちら。セオリーのままの平方根目盛です。

組み込んでから、他のバンドで測定してみましたが、今度は周波数により違いが出ました。何で?  低い周波数ほど、指示が大きく出ます。 あちゃー。 リアクタンスが大きいのかなぁ。
かなりがっかりしたのですが、倍半分ほどに違う訳ではありません。周波数補正係数を掛けて、補正する事にしました。係数は、3.5MHz~50MHzで、0.63~1.16でした。

500Wリニアアンプの出力を測定し、未補正時と補正後の結果は、次のようでした。
100Wで較正して、500Wを測る?  えらい外挿!



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