ジョークプロジェクト

安価なタッチスイッチユニットを使った
静電容量式タッチスタンバイSWと
タッチパドル

C-MOSを使ったタッチスタンバイスイッチを、マイクコンプレッサーと一緒に、マイクスタンドに組み込んだのは、70年代半ばの頃。電極から指を通してGNDに流れる微小電流でICをオンにするものでした。
タッチしている間送信するスイッチと、送信状態にホールドするスイッチの二つで、快適に使えていました。



これが、年月とともに微小電流が必要なだけ流れなくなり、なかなかオンに出来なくなりました。
私の皮膚の水分が特に冬場に減り、段々絶縁体のようになってしまった訳です。
手動スタンバイのプッシュロックスイッチも付けましたが、押すとマイクに「ガチャン」と音が入ります。
指に「はぁはぁ」と息をはきかけたり、「う~ん」と強く押したりも今一つで、ちゃんとタッチでスタンバイできるよう、IC用の導電スポンジをマイクスタンドの横に置くようになりました。

微小電流ではなく、静電容量式のタッチスイッチに変えれば、解決できるのでは・・・。

<PICマイコンで実験>
まずマイコンのPIC16F1827のCapacitive Sensing IOを使って、静電容量式のタッチスイッチを実験してみました。
確かに、電極をピンセットで触れるとカウントが変化しましたが、感度と再現性の点で、思ったようなものにする事が出来ませんでした。

ちょっと、がっかりしたのですが・・・。

<市販ユニットのテスト>
ネットで検索してみると、専用の静電容量式タッチスイッチユニットがかなり手頃な価格で販売されていることが判ったので、これを試しに購入しました。
切手の半分くらいの驚くような小ささです。ユニットの写真を添付します。

  

タッチ用の電極が基板の裏側に付いており、指を3~4mm程まで近づけると、SWがオンになって、ボード上のLEDが光ります。
(ちょっとまぶしいので、121のチップ抵抗を1/6Wの5kΩに取り換えました。)
再現性は十分ですが、感度が高すぎでした。そこで、電極との間に10kΩの抵抗を入れる事にしました。
AとBのジャンパーを使い分けると、作動時に出力がHかLかと、自己保持の有無を選ぶことが出来ます。
私のマイクスタンドの場合は作動時Lなので、Aのジャンパーを半田で繋ぎました。

ボード裏のタッチ電極は使いづらいので基板の表と繋がるスルーホールをドリルで少しザグって切離し、表側は当該スルーホールに繋がっている部分のパターンを露出させて、そこへ抵抗を繋ぎます。
改造状況の写真、下の通りです。それぞれ左側が改造前、右が改造後です。

 

これを、マイクスタンドに組み込んでみました。下の写真のようです。小さいので、両面テープで貼り付けました。
マイクスタンドの各タッチ電極に、上記抵抗を繋ぎます。ユニットは都合2個です。
元のタッチ電極自体は変えなかったので、外観には何も変化はありません。



テストしてみました。大成功!
これで、導電スポンジとサヨナラ出来そうです。hi.


<タッチパドルの製作>
タッチスイッチで、いつかやってみようと思っていたアイテムがありました。
人差し指で短点、中指で長点のキー(?)をピアノの鍵盤のように操作する、キーヤーパドルです。
相当に高速で打てる(私には無用ですが。^^;)のではないかと思い、やってみました。

二つのタッチ電極は片面基板(銅箔面が上向き)で、いずれも指の1節分余りとしました。けが防止のため、角は少し丸くしました。
この電極は、ユニット裏面の電極よりかなり大きいため、感度が上がりやすくなります。

ケースは、手のひらが乗せられるサイズが必要ですが、金属ケースでは電極との間の容量が増えてしまいそうなので、プラスチック製にしました。
感度が高くても低くても動作はNGなので、色々トライアルの結果、先のシリーズの抵抗を少し大きくし、さらに小容量のコンデンサーをシリーズにしました。電極も基板も両面テープで接着。
試作したタッチパドルの外観と内部の様子、下の写真のようです。
電気回路はシンプルですが、電極のサイズと、それに応じた感度の調整がポイントでした。

 

早速キーヤーに繋いでテスト。動作しました。
テスト中の状況は、下の写真のようです。



通常のパドルと全く異なる操作感です。また取り敢えずのテストでは、打った後に速やかに指が離れていないようで、オーバーキーイングが多く、思い描いたように使うには、かなり練習が必要と思われます。^^;)

装置はひとまず出来ましたが、肝心のCWが初心者返り中。練習は、腕が上がってからとします。hi.


<蛇 足>
タッチパドルの写真に写った自分の手を見て、ガクッと来ました。hi.



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