FL-2100B(改) 修理のお話

<リニアが、いきなりのスパーク!!>
暑い夏の昼下がりでした。
TS-600(改造20W出力)に、FL-2100B(改造28、50MHz)をつないで、50MHzで200Wの組み合わせ(の接続変更の届)がOKとなったので、喜び勇んでしばらくぶりにFL-2100Bのスイッチを入れたら、いきなり「パリ、パリ、パシッ!!」という、激しいスパーク音。そんな、アホな~。
折角の改造後間無しで、これから使おうというのに、もう、寿命か~~?

コンセントの電圧を見ると、200Vのはずの所が220V程ありました。
これは何だ! 夏場の電力消費のピークに備えて、電力会社が頑張っているのか??
しかし、それ位でトラブルとは・・・。

改めて夜にトライし、大丈夫だったら送信してみて、また、ケースを開けて異常を探し、蓋をしてまた昼間に、など色んなチェックをしました。
真空管のプレート回路を中心に、スパーク痕を捜しましたが、見つけられませんでした。
この間、10回位、送信開始時を含め、スパークに見舞われました。スパークはいずれも、昼間です。
夜は、電圧が200V程の通常値になっており、スパークもありませんでした。

<二つに割れたダイオード>
ケースを開けてひっくり返した状態で、思い切って昼間にスイッチを入れたら、また「パリ、パリッ!!」と・・・。
今度は、エポキシの整流基板の裏側から、閃光が緑色に透けて見えました。

裏向けに取り付けられた整流基板を取外してみると、整流ダイオード(5個シリーズが1組)のうち、最高電圧の1個が焼損し、そこのシャーシには、焼け跡とすすがついていました。
当ダイオードとシャーシの間でスパークしていた模様です。そんな~!!
焼けたダイオードは、度重なるスパークのせいか、二つに割れていました。
これは、老朽化故障かぁ?! (プンプン!)

      

写真左  焼損した整流用ダイオード
写真右  修理した整流基板

<やおら、修理>
焼損部近辺のダイオードをチェックし、すすけた部分を洗浄してから、手持ちのダイオードに取り替えました。
50年前の、フェライトビーズ程の大きさの、金属ケース入りのものです。
(耐電圧1kVの手持ちはこれしか・・。これは大きいので、シャーシに近づかないよう、表側に取り付け)。
整流基板のスペーサーを、少しかさ上げし、全ダイオードの取付を基板側に近づけたりして、再発防止も行いました。

この後、スパークは起こっていません。
やれやれ。一時は、どうなる事かと・・・・。  これで、当分50MHz(や28MHz)で使えそうです。

しかし、突然起こった、あの「パリ、パリッ!」は、少しトラウマになってしまい(突然キバをむいた猛獣のよう)、当リニアの電源投入や、電源ランプのついた状態のリニアが怖くなりました。

しばらくは、気持ちがスパークに耐えるよう、おなかにちょっと力を入れ、呼吸をグッと止めて、スイッチを入れました。hi.


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