リニアアンプのお話 その1

リニアアンプとは、10Wを超えるパワーアンプの事ではないと気がついた時には、結局そのようなアンプを作り始めていました。

<50MHz 2B94 50Wリニアアンプ>
独立したリニアアンプを作り始めたのは、74年です。最初の作品は意外にもツインビーム管2B94を用いた50MHz用のもので、出力は50Wでした。
頭に角が2本生え、プッシュプル回路を前提とするもので、スプリットステーターまたはバタフライバリコンを用いて使うものです。部品はやや特殊でしたが、作ってみたら大変安定で、愛用しました。これは、電監の検査を受けました。

当時50MHzで50Wのメーカー製リグが無く、これに5エレで結構かみなり、じゃなかった、QRVしました。

この写真は2代目で、プッシュプル専用に開発された2B94を何と2本パラレルにしようと言う、とんでもない考えで作ったものです。実際、パラレルにしてみたら、ものの見事に発振してしまい、どうにもなりませんでした。
結局2本目は取り外しました。hi,hi。
このままでは余りにも見た目が悪く、コイルも仮のもので不細工すぎるので、シングルプッシュプルのまともな姿に再改造しました。おバカな失敗談は、「50MHzツインビームリニアアンプのレストア記」に。

真空管の取りつけ角度を変えるとうまく行く可能性がある事に大分後で気がつきましたが、追試には及びませんでした。
次に作ったリニアは何と、430MHzの真空管式アンプで、これも74年のものでした。

<430MHz 4X150A 50Wリニアアンプ>
当時430MHzのSSBに1W程の出力から出始めて4W程にパワーアップし、次のステップとして作りました。

これは当時関西の430SSB仲間の古株、JA3AHC南城さんがハムライフ誌に発表されたものを見、現物を見せてもらって説明を聞いた上で再現したものです(著者本人に教えてもらっているので、鬼に金棒です。hi,hi)

真空管とソケットは、430SSB仲間の方が沖縄返還の時に放出された米軍の予備品(従って新品)を入手されたものを、破格の安さ(市価の1/5程)で分けてもらいました。

銅板を切り、曲げて半田付けして組み立て、それをメッキ屋さんのローカル局に頼んで銀メッキしてもらって、同軸共振器を作りました(写真上)。

430MHzではプレート能率はさすがに低く、入力が200Wで、出力が50Wでした。しかし、10W+12エレの局が届かない2エリアに、この50WにGPアンテナで届くなど、威力を結構楽しみました。

真空管は4X150Aです(写真左)。
この球は内部に放熱フィンが組み込まれ、中に風を通して冷やすので、大変コンパクトでリキのあるものです。全身銀色に輝く、この真空管らしからぬ風貌と、そのパワーには惚れ込みました。これも、電監での変更検査を受けた装置です。

<50MHz 4X150A リニアアンプ>

それを、メインバンドの50MHzに使わぬ手は無いと、またリニアを作りました(写真左)。今度は同軸共振器ではありません、hi,hi。

しかし高調波低減のため、普通のパイマッチでなく、パイLマッチ(パイマッチを1.5段つないだような回路です)としました。風を通すためのチムニーは、自作しました。まるでかまどのようです。hi,hi.

今度はプレート能率が良く、200W入力に対して100W程出ました。各部の電圧やドライブを調整して、50W出力にしましたが、油断すると50Wを超えるので、気を遣いました。hi,hi。これも、電監での検査を受けました。

<144MHz 4X150A リニアアンプ>
4X150Aの遣いやすさに気を良くし、今度は2m用のリニアを作ることにしました。

同軸共振器では大きくなりすぎるし、途中で折り曲げる必要もあるし、コイルでは性能が悪そうだし、レッヘル線にするにはプッシュプルではないし、というわけで発想を転換し、ストリップライン方式を採用しました。

真空管式アンプでは、私は他に見た事がありませんでした。これは、素晴らしい効率を示しました。  出力は最大で120W。3つのペケ球アンプの中で最大です(前記同様、ドライブを低減しました)。ただし、大変なじゃじゃ馬でした。

気分良く、これで2mCWの和文ラグチューをやっていると、警察無線から電話がかかってきました。「お宅の電波が警察無線にかぶっています。」「えーっ!!!」  CWがノイズのように、ザーッ、ザザッと符号を奏でている様子が、自分のコールサインと共に、テレコで再生されました。「ギャフン」でした。
1/4λ同軸共振器のフィルターを繋ぎ忘れていたことも、まずいきっかけでした。繋ぎ直しましたが、問題はゼロにはならないと。
これを押さえようと、アップバーターを切れがシャープなトラフ共振器を用いるものに作り替えましたが、このアンプにも寄生振動の疑いの目を向け、測定器が無い中、見えない敵を相手に改造、改造の悪戦苦闘。大変な難儀を経験しました。hi.  これはこのアンプや2m自体のトラウマに・・・・。

- 後日談 -
何十年の後にスペアナを入手してこのリニアを再チューンした時、妙なスプリアスが無い事を確認できました。リニアの問題ではなかった! これで、ようやくまた使うようになりました。                 - つづく -




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