バグキーなどのカスレ、チャタリングの防止に特化!
DeChatter記事の補足
このページは、2025年CQ誌4月号の「DeChatterの製作」の記事を補足するものです。
バグキー短点のカスレは、多くのユーザーを悩ます課題です。接点部のヘアピンにスポンジを挟んだり、接点を非接触式に改造したり、それらを使いバグキーそのものを作った、など涙ぐましい話も耳にします。
<カスレの実態>
バグキーをオシロに繋ぎ、波形を見ると、下の写真の様でした。(キーアップでH、キーダウンでL)
写真左 短点出始め 右 短点出終わり
チャタリング様のノイズが沢山出ています。
ロジックアナライザーで見ると、出始めにはもっと多くのノイズが出ている事が判っています。
これは何とかしなければ・・・。
チャタリングを除去するので、Dechatter(デチャッター)です。
極力シンプルに、また、省エネを肝とします。
<チャタリング除去の考え方>
DechatterはDJキーヤーの改良版4A31型のDechatterモードと、ほぼ同じ時期に実験、開発していました。
これをDechatter機能に特化し、極力シンプルにしました。
処理の基本的考え方は上記改良版と同じです。下図の通りです。
Dechatterの動作原理
・ 入力を、装置の設定速度での短点の1/16の時間スパンで寸切りします。
その間に入力を高速で繰り返しチェックして、入力を少しでも検出すれば信号を継続します。
・ それに加え、信号を検知してから同じく短点の長さの5/8の時間は、信号を必ず出し続けます。
これで、バグキー短点の出だしのカスレをマスキングします。
・ 符号が出終わった後にも、上記短点の5/8のスペースを確保し、次の入力をブロックします。
ここで、前記の設定速度は一体何か??
打鍵速度を変えると、ノイズの幅や、チャタリングが続く長さが変わるのだろうか。変わるのであれば、スピード設定の入力が必要になります。
測定し、色々考えた結果、打鍵速度はチャタリングの様相に少し影響するが、大きくは影響しないと思いました。
そこで、大まかに中速と高速に分ける事とし、それぞれの設定速度を、22wpm、30wpmとしました。
設定速度よりも遅く打鍵した場合、処理効果が少し減るかもしれませんが、大きな弊害は無いと思われます(低速打鍵など)。
速い場合ですが、設定速度の8/5(中速で35wpm、高速では52wpm!)より速く打鍵した場合は、マスキングやブロックが短点より長くなり、間延びした符号やスペースとなります。hi.
<構造と製作>
下図のように、DJキーヤー4A31型の回路をさらに簡素化します。但し、R3は入力のC2による平滑効果を高めるため、外部プルアップとしました。
私はこれを、32mm×30mmのユニバーサルボードに組み立て、タカチのSW-65S(65mmW×45mmD×25mmH外寸)に組込みました。
写真左が装置内部です。何だ、基板もケースも、半分がガラ空きじゃないか?!
いえ、右の写真を見て下さい。そのガラ空きの部分に電池が入ることが判ります。基板の止めネジも、2本の電池の隙間に来るようにしました。hi.
コンデンサーは横倒しです。端子は下の写真のようなラグ輪っかを(抵抗かコンデンサーの足の余りで ^^)作って取り付け、横倒しにします。
なお取付けは、輪っか部分だけが基板上に出るようにし、下の部分は基板裏でL字型に折り曲げて少し切り縮め、配線やパターンに沿わせて半田付けします。
(輪っか側にかかる力を裏で多少とも分散してこらえるためです。hi.)
ラグ輪っか(輪の内径は3mm程)
基板はスペーサを使わずに極く低く取り付け、コネクタの配置は十分に検討し、ケース蓋のツバを一部切り欠いて、何とか組込みました。
プラグ同士が押し合いになる事もあるので、位置決めの前にプラグの大きさも考慮が必要でした。(後知恵。^^;)
上の回路図には表記していませんが、一旦完成後、2回路2接点のトグルスイッチ(いわゆる6ピン)で、電源開閉と連動するバイパスを設けました。
バイパスは、キー入力をKeyINの端子に繋ぐか、出力コネクタに繋ぐか(バイパス時)の切替えとします。
(出力コネクタ側では、KOUTと並列になりますが、スイッチを切ったキーヤーが並列に繋がっているのと同じで、問題は起こりません。)
これで、使用前/使用後が容易に比較でき、接点メンテナンスの時期になった事も見つけやすくなります。
設定速度の中速/高速は、当初設定は中速になっています。
キーダウンで電源を入れると、入れ替わります。この設定はマイコンに記憶され、電源を切っても変化しません。
<DJキーヤーの基板の流用>
回路がDJキーヤーのアレンジなので、DJキーヤーの基板を流用して作ることも出来ます。
流用の要領を こちら にアップしましたので、ご参照下さい。
その場合は、大きめのケースが必要になります。
また、CRなどのTag番号の過半が変わっているので、それらは基板の印字と異なり、注意が必要です。
<使ってみて>
チャタリングは奇麗に無くなり、DJキーヤー4A31型 のDeChatterモードでの出力(波形の画像参照)と同様になりました。
バグキーは下手なのですが、恥をかなぐり捨てて毎日DeChatterを使ってしばらくオンエア(出ちゃったー?)で実戦テストを続けました。大まかな中速/高速の切替えだけですが、チャタリングの除去効果は得られています。
手持ちのバグキーを最高速(35wpm以上)にしてCQなど打鍵してみましたが、正常に動作し、チャタリングも無くなりました。
モニターの音も、長点、短点とも全く同様で、「プッ」という出だしもありません。
試しにバイパスに切り替えると、Dechatter使用時との違いがモニター音でも良く判ります。
バイパス時のモニターで、余りにもノイズが多くなったら、Dechatterで手に負えなくならないよう、やはり接点のメンテナンスをします。
省エネ、特に休止時の電流が殆ど無いのはDJキーヤーと同様で、電源スイッチを切らずに数か月時点で、問題なく使えており、電池は1年以上持ちそうです。hi.
打鍵速度に良く合わせた動作や、Dechatterの動作を取り入れたキーヤーを希望の場合は、DJキーヤー4A31型のページをご覧ください。
<頒 布>
Dechatterのマイコンや、流用のためのDJキーヤーの基板をご希望の方は、弊ホームページからメールでご連絡下さい。
基板キット(基板と、マイコンなど基板上の全部品)をご希望の方も、ご連絡下さい。
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