エレバグモードの符号をそのまま8チャンネルメモリーに記録/再生!
パドルやスイッチのノイズに強くなった

エレバグキー8A21型




PICマイコンで小型、省電力なエレバグキーに、エレバグモードのメッセージメモリーを搭載した6型、7型は、CQ誌の2003年5月号、2004年5月号に掲載されました。

掲載後多くの反響やPICマイコンの提供依頼があり、全国にエレバグキーが誕生しました。皆さんからの励ましやご要望に応えて、エレバグキーはさらに8型、8A型へと進化しました。冒頭写真のようです。

PICマイコンには、16F819を用います。
動作モードは、アイアンビックと、エレバグの2種類で、それぞれのモードで、8チャンネルのメッセージメモリーが使えます。
アイアンビックは、モードAとBを切り替えて使えるようになりました。

また、エレバグモードでは、従来方式の高速処理モードに加え、パドルのノイズをマスキングの手法で除去する、
ノイズマスキングモードも、切り替えて使えるようになりました。スイッチのノイズ対策も加えました。
ノイズマスキング方式には、弊DJキーヤーDJ4A31型 (リンクはこちら(ブラウザで戻って下さい) で紹介した手法が用いられています。
これで、パドルの少々のノイズは、無かったような符号が出力されます。hi.
スピード設定を合せ、手動キーの入力を、長点パドルの代わりに入力すると、ノイズが除去された信号が出力されます。

エレバグモードの信号も、アイアンビックの信号も、そのままメモリーに記録/再生できます。
4つのプッシュスイッチで4つのメモリーチャンネルを使い分け、さらに、シフトスイッチのON/OFF切替で、その2倍、8チャンネルが使えます。

それから、弊エレバグキーの基本機能として、
休止時の消費電流を10μA未満に押さえています(スリープモード)
パドルから手を放して、1~2秒でスリープモードとなり、打鍵を始めると、瞬時に復帰します。
このため、電源スイッチを切る必要は、余りありません。hi.

回路は、下図の通りです。



8型には、ゲートICの74HC09を使っていたのですが、入手難になったので、8A型では代わりにキーマトリックスを用います。
(8型も、今回と同様のバージョンアップを行っています。)

メモリーICには24LC256を用います。小さなパッケージに25万余ものメモリー素子が詰め込まれています。何と!
これが200円や300円で手に入るんですからね。(浦島太郎現象!)
PICの内蔵タイマーでモニターを鳴らし、スリープ機能で、パドルやメモリースイッチが操作されていないときに、マイコンをスリープ状態として、消費電流を前記の通り殆どゼロにします。

図中、フェライトビーズが3ヶ所に入っています。しかしこれらは実績上、無くて良い事が判っており、ジャンパー線でつないでおけばOKです。
余程の回り込みがあった時は、小さいサイズのものを入れて下さい。

<製 作>

回路図の中の、緑の一点鎖線で囲った部分が中心部で、基板の範囲になります。
基板の、部品面から見た組立図と、半田面の図、及び部品表を こちらのリンク に示します(ブラウザで戻って下さい)。.
マイコンと、EEPROMには、必ずソケットを用い、製作の最後に取り付けて下さい。
ダイオードの1S1588は、1SS178等の同等品に替えられます。

図にパドルは一つしか描いていませんが、入力コネクタを2つ付けておくと、別のパドルも繋ぎ、或いは手動キーを長点側に繋いで共用でき、ノイズマスキングモードで処理する事も出来ます。

プッシュスイッチは、押しやすいようにケース上面に取付けるのが良いと思います。
私は、VR1とSW1、VR2とSW2をスイッチ付きVRにして、パネル面を簡素化しています。

VR2にはAカーブが良いのですが、手に入りにくくなりました。BカーブでもOKです。

電池は、私は単三(単四と値段が変わらず、容量が大きめで、入手しやすい)が好きなのですが、ケースの余裕により決めます。hi.
ここにNi-cd等の充電式電池を使ったり、外部電源を繋ぐ必要はありません。
電池は相当に長持ちします(私の場合、1年以上)。液漏れに注意の対象です。hi.

<使い方>

― アイアンビックモード ―
アイアンビックモードの動作は、普通と何も変わりません。
最初の設定は、モードBになっています。PSW1を押しながら電源スイッチを入れると、モニターがBとビープして、モードBに変ります。
もう一度やるとAとビープしてモードAに戻り、以降同様に切り替わります。

― エレバグモード ―
エレバグモードに切り替え、長点パドルを長く押してください。押している間、信号が出つづける事を確認します。
この長い長点を確かめたら、長短点が混じった、K、C、Xなどを打ってみて下さい。バグキー風の符号が出てきます。
長短点各符号の間には、自動的に短点1個分のスペースが挿入されるので、パドルをサッと動かしても、うまい具合にスペースが取れている事が判ると思います。
これは、私が1987年にCQ誌に発表した”エレバグキーの製作”の時から継続している、エレバグキーの基本機能です。最近、”オートスペーシング”という言葉を聴くようになりました。うまいネーミングだと思います(私も、この言葉を使わせてもらおう。hi.)。

またY、M、O、1など、長点が続く符号を打ってみます。慣れてくると、ちょっと気分のこもった信号が出せるようになります。了解のR、最後のVAなど、ちょっと長めの長点を試して見ましょう。

― ノイズマスキングモード ―
エレバグで最初の設定は、ノイズマスキングモードになっています。
パドル自体のノイズが判っている場合や、長点入力にバグキーを繋いだ方は、キーヤーの出力が平坦な事に気がつかれるかもしれません。
しかし、余りに粗いノイズが来た場合、キーヤーは断続した信号として扱い、”オートスペーシング”で二つの符号が出力される可能性があります。
ここまでひどい接点状態にはしないでおきましょう。hi.

PSW2を押しながら電源スイッチを入れると、モニターがHSとビープして、高速モード(従来方式)に変わります。再度やると、NMとビープしてノイズマスキングモードに戻り、以降同様に切り替わります。

― ダブルレバーパドル ―
ダブルレバーのパドルは、ソフトウェアでシングルレバーに変換しており、エレバグモードにも問題無く使えます(トツートツーという繰返しはできません)。
長点を押しながら途中で短点も押し、KやX、逆にRやP、二回押してARなど出す事も出来ます(スクイズ操作)が、余りお奨めしません。
アイアンビックやバグキーが打てなくなりそうです。hi.

― ファンクション ―
ファンクション設定の方法は、こちらのリンク を参照して下さい。(ブラウザで戻って下さい)
PSW1と2を同時に長押しするとコマンドモードになり、モニターが”?”をビープします。ファンクションの設定方法を参照して、該当のPSWを長押しすると”R”とビープし、ファンクションがONとなり、短く押すと”N”とビープし、OFFになります。
ファンクション設定には、リピートモード、自動CQなどがあります。
自動CQをONにすると、PSW2を押すとCQが出力されます。但し、事前にファンクションのシフト+PSW2で、コールサインを記録しておきます。
シフトスイッチをONにしてPSW2を押すと、CQホレが出力されます。

ファンクション設定で、アイアンビックからノーマル(ダブルレバーパドルをシングルに変換する。ULTIMATIC)モードへの切替え、エレバグから複式キーモードへの切替えも出来ます。複式モードでも、オートスペーシングが働きます。
またこれらのモードでも、信号はそのままメッセージメモリーに記録/再生されます。

間違ってコマンドモードになってしまった場合は、長点パドルを押すか、PSW1と2を同時におせば、”T”とビープして元に戻ります。

PSW1と2を同時に押しながら電源スイッチを入れると、全てのファンクションがクリアされます。

<メッセージメモリーの使い方>
シフトスイッチをまずOFFにします。
プッシュスイッチ(どれでも良い)を2秒くらい押すと、キーヤーがR BTを出力します。これで、メモリーの記録モードとなります。以前の記録も、この時点で消されます。
そうしたら、必要なメッセージを打ち込みます。記録を開始したときのモードで、記録終了まで記録されます。打ち込みが終わったら、プッシュスイッチを押します。すると、キーヤーはARを出力して、記録を終了します。
もし、BTが出力された後、何も打ち込まずにプッシュスイッチを押した場合、元の記録がキャンセルされただけで終わります。

いずれのプッシュスイッチも全く同じ機能で、異なるチャンネルで動作しています。
メッセージを再生、送信するには、必要なチャンネルのプッシュスイッチを押すだけです。
途中でメッセージを終わらせたい場合は、長点パドルを押すか、PSW1と2を同時に押します。

シフトスイッチをONにすると、先程のプッシュスイッチが、全て別のチャンネルを起動します。
欧文と和文、平常用とコンテスト用などに使い分けるのも面白いと思います。

― ポーズ ―
メッセージを再生中にどれかのPSWをおすと、再生がそこで停止し(ポーズ)、一時的にパドル操作が出来るようになります。パドル操作を終えるか、或いはそのままどれかのPSWを押すと、また続きの再生に戻ります。
ポーズは、定型メッセージに何かを挿入したいとき、(QRZ ”JA2” ?とか)などに使えます。
ポーズでは、再生が終わっていないので、注意します。

<あとがき>
エレバグモードでメッセージメモリーを使ってみると、テープレコーダーのようです。調子のよい時は、うまい信号が、へたな時は、その通りに再生されます。
ワード間の スペースも、操作の通りに再現されるので、アイアンビックモードのメモリーでも、「こんな風に打ったんじゃないのに」といった、期待はずれが少なくなりました。hi,hi.

ひとつおためしを!

プログラム焼き付け済みのPICマイコンを頒布しています。
基板も在庫分、頒布可能です。
ご質問、基板パターン図のご依頼等も、受け付けています。
筆者まで、e-mailをどうぞ。


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